ハトのマークのひっこし専門の旗揚げ
移りゆく引越し事情
70年代に入り、経済力がついて生活にもゆとりが出てきたことから日本人の引越しに対する見方は変わってきました。
また、家財が大型化、高級化し、これまで素人でも簡単に持ち運べたものが、プロに任せないとなかなか運べなくなりました。
また高度経済成長によって地方から都市へ人口が流入し、核家族化などが進んだこともあり、近所づきあいが希薄になってきました。
そうした背景もあり、自分たちで助けあって引越しをするのではなく、専門の業者に任せるのが当たり前になり、引越し業者の発生を促進させました。
引越し研究会の設立
これまでの述べてきたような状況を背景に発足したのが、引越し業者6社による「引越研究会」の設立です。
当時の中小の運送業者はまだ産業貨物が中心で、引越しには参入できていませんでした。そして、大手による引越しサービスは、料金にばらつきが大きいものでした。
そのような状況で、「引越研究会」は引越しという商品のための組織化、そして料金体制づくりのための協議を重ねていきました。
そうして「引越研究会」への参加事業者が増え続け、ついに「引越専門協同組合」(ひっこし専門)が旗揚げになりました。
産業界からの注目
この「引越専門協同組合」の旗揚げは引越しを扱う運送業界だけでなく、産業界全体から注目を集めました。
注目された点は、まず、各企業の独自性を尊重しつつ共通の目標を設定し、その目標を達成するための努力をするというスタイルをとったこと。
また、ハトのマークの商標、車両や作業服、料金を統一し、利用者にわかりやすく、利用しやすい商品をPRしたことです。